旧武藤山治邸へお出かけしよう!
旧武藤山治邸は、神戸市垂水区の舞子公園内にある西洋館。JR「舞子駅」または山陽電鉄「舞子公園駅」から徒歩5分のところにあります。
武藤山冶は「鐘紡の中興の祖」とよばれている実業家。慶応義塾で福沢諭吉の下で学び、さまざまな経歴を経て、鐘淵紡績株式会社(以下鐘紡)に入社。その後、社長にまで昇進し、鐘紡を日本有数の会社に育てあげました。
旧武藤山冶邸は国の登録有形文化財で、武藤山治が明治40年に建てた木造二階建ての洋館。建物の一部は改修されていますが、ステンドグラスや暖炉、家具など当時のまま残されているものもあります。
異国情緒が感じられる洋館は女性に人気があるようで、訪れた日も10人ほど観光客がいましたが、女性客しかいませんでした。建築やアンティークに興味がある方なら、男性でも楽しめるスポットだと思います。
今回はそんな旧武藤山冶邸を訪れたときの感想を、写真とともにレビューして魅力をお伝えします。
JR「舞子駅」・山陽電鉄「舞子公園駅」・高速バス「高速舞子バスのりば」から徒歩5分で行けるほど好アクセス。有料駐車場もあり、車で行くことも可能です。
旧武藤山冶邸は、JR「舞子駅」・山陽電鉄「舞子公園駅」から徒歩5分。高速バス「高速舞子バスのりば」からも近いので、遠方から来るにもアクセスが良い便利な立地です。
専用駐車場はありませんが、すぐ近くの舞子公園の敷地内に有料の駐車場があります。車で行くときはそちらを利用すると便利でしょう。
旧武藤山治邸の入館料金は安いのですが、他の施設とセットで買うとお得になる割引制度があります。
旧武藤山治邸の入館料は、大人100円、65歳以上50円、高校生50円、中学生以下は無料です。とてもリーズナブルなので、気軽に見学できますね。
その他に舞子公園内にある旧木下家住宅、孫文記念館(移情閣)を訪れる予定がある方は、3館めぐり入館券がおすすめ。(大人のみ)別々に購入するよりも100円お得になります。たった100円と思うかもしれませんが、何度もチケットを買う手間を考えれば、こちらの方が楽だと思います。
旧武藤山治邸は明治に活躍した実業家が建てた西洋館。当時の調度品や家具も残されており、西洋文化を取り入れた明治時代の生活様式を知ることができるスポットです。
旧武藤山治邸は、鐘紡を日本有数の企業に育て上げた武藤山治が舞子に建てた二階建ての洋館です。山治の死後は鐘紡に寄贈され、福利厚生施設「鐘紡舞子倶楽部」として利用されていました。
その後、カネボウ株式会社から兵庫県が寄贈をうけて、平成22年から舞子公園で館内を公開するようになったそうです。
この建物は国の登録有形文化財にも登録されている、明治期の西洋館の住宅形式や当時の実業家がどのように生活していたかを知ることが出来る非常に貴重な建物。
観覧エリアへは、受付のある管理棟を結ぶ渡り廊下を通っていきます。旧武藤山治邸は、写真のような間取りになっていて、1階と2階のどちらも観覧可能。
ボランティアの人が無料で館内を一緒にまわって、解説をしてくれるサービスもあります。私が行ったときはボランティアの方は1人しかおらず、他の方を案内されていたので話しをお聞きすることはできませんでした。
1階には食堂、広間、応接室があり、家具や調度品など当時使っていた珍しいものが多数展示されています。
渡り廊下を渡ってすぐのところの部屋は食堂です。建物の中でも一番豪華な内装の部屋で、暖炉の枠は大理石が使用されているそう。
館内に台所はなく、当時は建物の西側にあった厨房棟から食事が運ばれてきたのだとか。壁などの内装や家具も上品さがあって、とても素敵でした。
館内には当時の家具や調度品が、そのままの形で残されています。優雅さが感じられる室内に、思わずうっとりしてしまいます。
広間です。応接や社交場として使われていた部屋でクリスマスには友人たちを招いて、コンサートをしていたのだとか。
暖炉や家具、灯具は当時のものが残されています。現代の住宅とは全く違った佇まい。西洋の文化が取り入れられた当時の生活様式が、目の前に浮かび上がってくるようです。
応接室です。屋敷を訪れたお客さんの待ち部屋として使われていたそうです。ソファーも厚みがあり座り心地がよさそう。カーテンと柄を合わせているところにセンスを感じますね。
当時使用されていたトイレが公開されていました。今のトイレと違って、少し小さめサイズなのが印象的です。
2階には貴賓室、書斎、広間があります。窓の外には明石海峡大橋が見え、眺望がとても素晴らしく見ごたえあり。
2階へ続く階段です。ステンドグラスも当時のもの。パンフレットの表紙にも写真が掲載されていました。旧武藤山治邸のシンボルなのでしょうか。
貴賓室です。もともとは山治の妻が使っていた部屋でしたが、来客用の寝室として使用されることもあったようです。
部屋の中にある鏡台の椅子カバーは花柄で、女性が好きそうなデザインですね。
広間です。当時は主寝室として使われていた部屋だったそうです。壁には「武藤山治氏肖像画」「リンカーン」などの絵画が飾ってありました。
書斎です。家具、灯具はもちろんのこと、じゅうたんも当時のものなので中に入って見ることはできません。部屋の中には約1600冊の本があり、その6割以上は洋書だそうです。
2階の窓からは明石海峡大橋が見えます。当時この橋はありませんでしたが、山治も窓の外の海を眺めながら過ごしていたのでしょうね。
旧武藤山治邸の管理棟には館内の紹介パネルや休憩スペースがあります。
管理棟は建設当初に建てられていた撞球室(ビリヤード室)を参考にして外部を修復したもの。必要な面積を確保するために規模をひとまわり拡張しているそうです。
内部は当時の類例を参考にしており、細部については洋館の意匠を取り入れながら新規に設計し直したのだとか。
館内にトイレは1ヵ所(おむつ替えシートもあり)とても綺麗に清掃されているおしゃれなトイレで誰でも気持ち良く使うことが出来ます。
旧武藤山治邸のトイレは1ヵ所で、管理棟にあります。管理棟は増築された部分のようで、トイレもとても綺麗でした。
嫌な匂いもなく、きちんと清掃されているようです。広さもあり、おしゃれな雰囲気のトイレでした。
オムツ交換台もあり。
旧武藤山治邸は、明治時代の生活様式を知ることができる施設でした。館内の家具や調度品は、100年以上時が経っても「おしゃれだな」と感じるものばかり。
旧武藤山治邸は異国の文化が取り入れられた明治時代の西洋館で、どんな生活をしていたのかが知れて見ているだけでも楽しかったです。
建築やアンティークが好きな人にはおすすめの施設。入館料も100円とリーズナブルな料金設定なので、洋風建築に興味のある人は楽しめると思うのでぜひご覧になってみてください。
舞子公園内には旧武藤山治邸のほかにも、橋の科学館や舞子海上プロムナード、孫文記念館(移情閣)、旧木下家住宅など観光スポットがたくさんあります。せっかくの機会ですので、訪れた際にはそちらもあわせて見学してみてはいかがでしょうか。
住所 | 兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051番地(地図) |
連絡先 | 078-785-8610 |
最寄駅 | JR「舞子駅」 山陽電車「舞子公園駅」 |
アクセス | <電車の場合> JR「舞子駅」・山陽電車「舞子公園駅」より南へ徒歩5分 <高速バスの場合> 高速バス「高速舞子バスのりば」下車、南へ5分 <車の場合> 淡路島・四国方面からは神戸淡路鳴門自動車道「垂水IC」を出て南西へ約6km。姫路方面からは第二神明道路「玉津IC」を出て南東へ約10km。大阪方面からは第二神明道路「高丸IC」を出て南西へ約4km。山陽自動車方面 山陽自動車道「布施畑IC」を出て南西へ約9km |
開館時間 | 10:00〜17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(ただし祝日の場合は翌日休み) |
料金 | 大人100円・65歳以上50円・高校生50円・中学生以下は無料 |
駐車場 | 舞子公園内に有料駐車場あり(専用駐車場はなし)普通車駐車場P1、P2(212台) 営業時間 8:30〜21:30 休業日 12月29日〜12月31日 ※普通駐車場には障害者用4台含む |
公式サイト | https://www.hyogo-park.or.jp/ |
NANA
1988年生まれの神戸在住ライター。幼稚園児の娘と息子を育てているママです。足を運んだ兵庫県内の観光・お出かけスポットは100ヶ所以上。子持ちママ目線で、施設の魅力をご紹介しています。
編集&校正 ビー・エイブル