太山寺へ参拝へ行こう!
「太山寺」は、神戸市西区伊川谷町にある寺院。「播州太山寺縁起」によると、716年に宇合という人物が建立したと伝えられています。
太山寺(たいさんじ)は、元正天皇(715〜723年在位)の勅願寺として、歴代天皇をはじめ多くの人から信仰を集めていたお寺です。
「播州太山寺縁起」によると、開山したのは藤原鎌足の子・定恵和尚。霊亀2年(716年)に定恵の孫・宇合が建立したと伝えられています。1300年という長い歴史があるお寺。
私も何度か参拝にきたことはありましたが、今回調べてみてそんなすごいお寺だったとは驚きでした。こうして歴史を学んでみると、より一層お寺に興味がわいてきますね。
本堂は、神戸で唯一の国宝建造物としても有名で、中でも仁王門は国指定の重要文化財に、三重塔は県指定文化財となっています。また、太山寺とその周辺には自然景観が保護されている原生林があり、ひょうごの森百選にも選ばれています。
太山寺は奥まったところにあり、初めていく人には少し分かりにくい場所かもしれません。今回は「太山寺」に訪れたときの感想を写真とともにレビューします。ぜひ、訪れるときの参考にしてみてください。
神戸市市営地下鉄「名谷駅」または「伊川谷駅」か、JR・山陽電鉄「明石駅」より神姫バスに乗り、「太山寺」で降りて数分歩くと到着します。
この場所が、市営地下鉄「名谷駅」または「伊川谷駅」・JR・山陽電鉄「明石駅」から出ている神姫バスに乗って「太山寺」で降りたあたりです。「名谷駅」か「明石駅」から乗ったバスはこの停留所に止まります。
バスを降りたらすぐ見えてくるのが、仁王門。室町時代のものといわれており、重要文化財にも指定されています。もともとは重層の桜門でしたが、改築されたときに現在の八脚門になりました。
仁王門をくぐり抜けて、そこからまっすぐ歩いていきます。
しばらく歩いていると、県指定文化財の「太山寺成就院庭園」がありました。太山寺の塔頭の一つである成就院の庭園は、1804〜1817年ごろに作られたといわれています。三尊の枯滝と亀島がある枯池を中心とした枯山水様式の庭園。小さなお庭でしたが、趣きがありますね。
すぐ近くには、「安養院の庭園」もあります。神戸市内唯一の国指定文化名勝で、安土桃山時代に作庭されたもの。阿弥陀堂や原生林を借景として造られた県下でも最古に属する庭といわれています。
残念ながら扉が開いてなかったので、中を見ることはできませんでした。庭園は4月27日〜5月5日、11月15〜30日の期間限定で公開されるようです。入山料は300円、希望者には和菓子と抹茶の接待もあるとのこと。ぜひ見てみたいという方は、公開期間中に足を運んでみてください。
安養院の庭園を過ぎてまっすぐ歩いていくと、「太山寺」の三重塔が見えてきました。(写真中央)突き当たりを左折して階段を上がると太山寺の門が見えてきます。ベビーカーや車イスの方は降りて登ることになるので、少し大変かもしれませんね。
車で行かれる方は、天然ラジウム温泉太山寺「なでしこの湯」が目印。「なでしこの湯」の近くに、「太山寺」という標識が見えてきます。
この標識を数m過ぎたところに、仁王門が見えてくるのでその隣の道路を通って駐車場へ行けます。かなり細い道で、対向車があると通行するのが大変なので車で行かれる際は気をつけて通りましょう。
国宝の本堂や、重要文化財がたくさんある太山寺。特に桜と紅葉の季節はより一層景色が綺麗になり、風情があるのでおすすめです。
「太山寺」の山門です。近くにあった案内板によると、「太山寺」はかつて41の小寺院に囲まれた壮大な寺院でした。現在は、本堂を中心に阿弥陀堂、三重塔、護摩堂、羅漢堂、釈迦堂、鐘楼、観音堂、仁王門を配していて、周囲には安養院、歓喜院、成就院、龍象院の4つの小寺院があります。
受付で拝観料300円を払うと、パンフレットがもらえます。お守りやおみくじはこちらにありました。
正面に見えるのが本堂です。「太山寺」の本堂は、神戸市内唯一の国宝建造物として有名。鎌倉時代に建てられた大規模な仏堂で、弘安8年(1285年)に火災で焼失しましたが、1300年ごろには再建したと推測されています。
昭和39年に解体修復が行われたので、現在は鮮やかな色になりました。建築様式は和洋と唐様の折衷様式です。
本堂側からみた景色です。春には桜、秋には紅葉の名所として有名なんだとか。私は12月に訪れましたが、紅葉が少し残っていました。
阿弥陀堂です。
阿弥陀堂の中には、重要文化財に指定されている阿弥陀如来坐像がありました。宇治の平等院鳳凰堂にある定朝がつくった阿弥陀如来坐像とほぼ同じ大きさ・様式のものだそうです。
鎌倉時代のものが今もなお残っているのは、ホントにすごいことですよね。ありがたい阿弥陀如来坐像を前に、なんだかしみじみと歴史を感じました。
護摩堂です。護摩堂とは、真言宗などのお寺で護摩(願いを記した薪)をたいて、祈祷をおこなうための仏堂。5月8日には「花まつり」という月遅れのお釈迦様お誕生日のまつりがあり、この護摩堂の前で採燈大護摩を焚いて世界平和を祈願するそうです。
鐘楼です。毎年12月31日23:30の開門と同時に住職が第1打をついた後は、参拝者が自由に鐘をつくことができます。108つ以降も鐘をついても大丈夫なので、「行ったけど鐘がつけなかった」なんてことにはなりません。大晦日の思い出に、除夜の鐘をつきにいくのもいいですね。
地蔵尊です。
三重塔です。訪れた日にちょうど結婚式の前撮りが行われていて、和装のカップルが三重塔をバックに撮影をしていました。絵になる2人に、思わず私も釘付けに。お寺での撮影も最近らしくて素敵だなと思いました。
太子堂と稲荷舎です。この奥には釈迦堂と羅漢堂があります。建立年代は江戸時代後期といわれていて、釈迦三尊仏や四天王・十六羅漢尊・釈迦の四大弟子像が安置されています.
赤い閼伽井橋を渡った辺りを奥の院といいます。パンフレットには橋の近くに桜が咲き、風情のある写真が載っていました。春にくると、そんな素敵なショットを写真におさめられるかもしれません。手前に水が流れているのは太山寺川(伊川の上流)です。
橋を渡ると、ここにも稲荷舎。周りは森林に囲まれて、空気も澄んでいる気がしました。この辺りは「太山寺風致地区」として自然景観が保護されています。原生林も残っていて、「ひょうごの森百選」にも選出されています。
そして、左奥には地蔵堂がありました。
国宝の本堂や、重要文化財がたくさんある太山寺。最寄りのバス停から少し奥まったところにあるので道が分かりにくいかもしれませんが、仁王門からまっすぐ進めば辿りつけます。
本堂から少し離れたところにある奥の院は、原生林が残っていて自然に囲まれているところ。「ひょうごの森百選」にも選ばれた深森で、マイナスイオンを浴びてみるのもいいですね。
太山寺は桜と紅葉の季節はより一層景色が綺麗になり、風情があるのでこの時期に訪れるのは特におすすめ。ぜひ足を運んでみて欲しい兵庫県のお寺の一つです。
住所 | 兵庫県神戸市西区伊川谷町前開224(地図) |
連絡先 | 078-976-6658 |
最寄駅 | 神戸市営地下鉄「伊川谷駅」 |
アクセス | <電車およびバス・タクシーの場合> @神戸市営地下鉄「名谷駅」「伊川谷駅」または、JR・山陽電鉄「明石駅」より神姫バス14系統に乗車後、「太山寺」で降り、そこから徒歩およそ5分 A神戸市営地下鉄「学園都市駅」または、JR・山陽電鉄「明石駅」より神姫バス57系統に乗車後、「太山寺小学校前」で降り、そこから徒歩およそ20分 B神戸市営地下鉄「学園都市駅」からタクシーで5分、(約2.1km徒歩20分) <車の場合> 阪神高速北神戸線前ICとり東へ3分。第二神明道路高丸ICより北へ10分 |
営業時間 | 8:30〜17:00(冬期は16:30で閉門) |
休業日 | 年中無休 |
料金 | 拝観料は300円 |
駐車場 | 無料 |
公式サイト | http://www.do-main.co.jp/taisanji/ |
NANA
1988年生まれの神戸在住ライター。幼稚園児の娘と息子を育てているママです。足を運んだ兵庫県内の観光・お出かけスポットは100ヶ所以上。子持ちママ目線で、施設の魅力をご紹介しています。