南都十輪院の見どころやおすすめポイントを感想を交えて詳しく紹介します!
南都十輪院は、奈良県奈良市十輪院町にある真言宗醍醐派の寺院です。南都十輪院は、朝野宿禰魚養(あさのすくねなかい)が創建したと言われています。
朝野宿禰魚養は奈良時代の右大臣・吉備真備氏の長男にあたり、日本初の書道家といわれる書道の名人で有名でした。空海の書の師匠でも知られています。
南都十輪院には彼が書いたとされる文字が残されています。また、南都十輪院には本尊の石仏地蔵菩薩があり、庶民の地蔵信仰の寺として栄えました。
そのため、寺院には数多くの石仏が見られます。本尊は「霊験あらたなる地蔵」として『沙石集』の中でとりあげられました。
南部十輪院を訪れたら庭にも注目したいところ。季節ごとにさまざまな花が咲いています。
賑やかな奈良町にありながら、寺院の中は落ち着いた雰囲気。そのため、静かな心持ちで石仏を鑑賞できるのも南部十輪院の強みです。
南部十輪院はアクセスのいい寺院でもあります。奈良の玄関口、JR「奈良駅」や「近鉄奈良駅」からは徒歩圏内です。
また、奈良交通のバスを使うこともできます。南部十輪院の敷地内には無料専用駐車場があるので、車でのアクセスも可能。
周辺の観光施設と合わせて訪れたいところです。
今回は南部十輪院へ行ってきたので、写真付きで感想をレビューします。
南部十輪院の拝観料は大人400円、中学生300円、小学生200円です。
十輪院の拝観料は大人400円、中学生300円、小学生200円です。
南都十輪院はそれほど大きな寺院ではないため、10名以上のグループや団体の場合は事前連絡が必要です。
南都十輪院の見どころは庭です。南都十輪院では千両、山茶花、南天など季節によってさまざまな花が楽しめます。
南都十輪院の見どころは庭です。南都十輪院では千両、山茶花、南天など季節によってさまざまな花が楽しめます。
私が訪れたときは蓮の葉がたくさんありました。残念ながら、蓮の花はすでに枯れていましたが、その代わり、葉が生い茂り、まるで外国のような光景が楽しめました。
蓮の葉は背も高く大きいので、小さい子供だと葉の中に隠れてしまうほど。大人でも視界が遮られるかもしれません。
蓮の葉は規則正しく植えられていないので、生い茂った蓮をかき分けるようにして通ります。
まるでジャングルのよう。おそらく、他の寺院ではこのような体験はできないでしょう。
池の近くには「ほのぼのと石龕佛に障子の日」と記された石碑がありました。石龕(せきがん)とは仏像を納める厨子のこと。
南部十輪院の厨子は石でつくられています。また、その石龕が南都十輪院の本堂にもあり、全国的に見ても珍しいものです。
南部十輪院の本尊は「石仏龕」(地蔵菩薩)ですが、すべて花崗岩の切石で作られたもの。
石仏龕左側にある過去を表すところに釈迦如来が描かれており、中央奥の現在を表すところに本尊地蔵菩薩が描かれています。
その右側の未来を表すところに弥勒菩薩が浮き彫りになっていました。
そして、地蔵菩薩の周りには仁王、聖観音、不動明王、十王、四天王、五輪塔、観音・勢至菩薩を表す文字が巡らされており、極楽往生を願う地蔵の世界が表現されています。
その上部には星や星座を表す梵字があり、天災消除、息災延命を願っています。きっと、上記の歌を詠んだ方は南部十輪院の本尊に感動したのでしょう。
池の周りには河童の置物があり、遊び心を感じさせます。池は澄んでおり、とても綺麗です。
少し丘陵になった高台では、休憩できる場所があり、庭全体を一望できます。また、南部十輪院は奈良町にありながら、落ち着いた雰囲気。
奈良町の喧騒に疲れたら、南部十輪院に立ち寄るといいでしょう。
南都十輪院には地蔵信仰のお寺ということで多くの石仏があります。ぜひ、石仏をチェックしてみましょう。
南都十輪院には地蔵信仰のお寺ということで、たくさんの石仏があります。庭にもたくさんの石仏が置かれており、気軽に見られます。
また、石仏だけでなく、石を使った建造物や造形物も多くあり、まるで石の博物館のよう。
南部十輪院にある石仏の多くは、石の表面に浮き出るように彫られています。一見すると、オブジェのような石仏もありますよ。
これは合掌観音です。石の表面に観音様の姿が浮き上がっています。鎌倉時代につくられたものなので、欠けている部分もあります。
高さはなんと200m! そのため、威圧感はありますが、目鼻立ちがはっきりしており、穏やかな表情を浮かべています。
鎌倉時代につくられた石造不動明王です。ちょうどやすらぎの塔の横に立っています。もともと、色が付いていたようですが、今は色が抜け落ちてしまいました。
石に掘られた姿はくっきりしているので、今でも仏様を拝むことができます。
これは興福寺曼荼羅石です。赤い扉の中にありますが、私が訪れたときは閉じられており、見られませんでした。曼荼羅石は奈良市の指定文化財石造物になっています。
曼荼羅石は鎌倉・室町時代に絵画として盛んにつくられましたが、現存する石仏像ではここの曼荼羅石が唯一のもの。
したがって、とても貴重な文化財といえます。
興福寺曼荼羅石の隣には石仏である自然石塔婆がおりました。この石仏は比較的小さく、まさに地蔵と表現するにふさわしい様相。
まるで、庭のオブジェのようにたたずむ姿は、とてもかわいらしく、まるでマスコットのようです。
永代供養墓の「やすらぎの塔」もありました。南都十輪院では、家族に代わって永続的に供養する「やすらぎの塔」と呼ばれる合葬式の永代供養墓があります。
南部十輪院には花崗岩製の仏塔が立ち、「やすらぎの塔」と名付けられています。高さが3m近くもあるので、何とも言えない威圧感を感じることでしょう。
この墓には宗派を問わず、永代供養料のみで納骨ができるようになっています。また、南部十輪院では海洋散骨も行っています。
このような回転式のお経を見つけました。石の上にお経が刻まれており、これを一回まわすとお経を一回唱えたことになります。
これですと、子供でもお経を唱えられますね。仏教を身近に感じられるきっかけになるのでは。子供と一緒に訪れた場合は、ぜひお試しください。
高さ3m〜4mの小さい塔、十三重石塔もお見逃しなく。もともと、十三重石塔はその名のとおり、昔は十三重でした。
しかし、現在は上層部が欠けており、そのままになっています。十三重石塔の見どころは四方に仏様が刻まれていることです。
東側に薬師如来、南側に釈迦如来、西側に阿弥陀如来、北側に弥勒如来が描かれています。
そのほかに灯籠もたくさんありました。とても古い灯篭なのでしょう。ところどころ、欠けたり黒ずんだりしています。
これが周辺の環境とマッチしているところが魅力的ですね。
石仏龕は本堂に納められています。とても落ち着いた雰囲気を醸し出しています。南部十輪輪の本堂は鎌倉時代に作られたもの。
現在は国宝に指定されています。そして、この本堂は石仏龕を拝むための礼堂として建てられました。
南都十輪院にトイレはありません。駅で済ませるか、周辺の施設で済ますようにしましょう。
南都十輪院でトイレを探しましたが、見つけられませんでした。
したがって、事前にJR「奈良駅」や「近鉄奈良駅」でトイレを済ませておくことをおすすめします。
奈良町には数多くの観光施設があり、トイレを開放しています。それらのトイレも合わせて利用しましょう。
南部十輪院にはベビーカーのレンタル、コインロッカー、自動販売機はありません。
南都十輪院は仏様や寺院に興味がある子供におすすめです。
南都十輪院は仏様や寺院に興味がある子供におすすめです。たくさんの石仏があるので、十分に楽しめるでしょう。また庭でも石仏があり、自由に見学できます。
ただし、南部十輪院は赤ちゃん向けの設備がないこと、そして、ベビーカーが押せる環境ではありません。そのため、小さな子供には向かない施設と言えます。
南部十輪院はJR「奈良駅」から徒歩約20分、「近鉄奈良駅」から徒歩約15分と好アクセス。敷地内には駐車場があるので車で行くことも可能です。
南都十輪院の最寄り駅は「近鉄奈良駅」、JR「奈良駅」です。「近鉄奈良駅」から徒歩約15分、JR「奈良駅」からは徒歩約20分のところにあります。
また、奈良交通(市内循環回り)バス停「田中町」からは徒歩3分です。また、敷地内には無料駐車場があるので、車でアクセスすることも可能。
交通の便がいいので、周辺の観光スポットと合わせて訪れることができます。
住所 | 奈良県奈良市十輪院町27(地図) |
連絡先 | 0742-26-6635 |
最寄駅 | 「近鉄奈良駅」、JR「奈良駅」 |
アクセス | 近鉄奈良駅前より奈良交通バス天理方面行(3番のりば)福智院バス停下車、南西へ徒歩3分 JR奈良駅前 奈良交通バス市内循環内回り(11番のりば)田中町バス停下車、北東へ徒歩3分 |
営業時間 | 9:00〜16:30 |
休園日 | 月曜日(祝日の場合は火曜日)、12/28〜1/5、1/27〜28、8/16〜31 |
料金 | 大人400円、中学生300円、小学生200円 |
駐車場 | 無料専用駐車場(10台)があります |
公式サイト | http://www.jurin-in.com/ |
如月柊
道端でネコを見かけるとついつい走り寄ってしまう猫好きライターです。あまりにしつこくなぜなぜするので、愛猫からは猫キックしまくられるという冷遇ぶり。でも、猫は気まぐれでもかわいいから許すということで、日々猫と格闘しています。
編集&校正 ビー・エイブル