みなとのもり公園は大型遊具などはありませんが、広場や遊歩道などがあるのんびり休日を過ごしたい方向けの公園です。ベンチに座って心地よい風に吹かれながらの読書にも最適。
みなとのもり公園はまたの名を神戸震災復興記念公園と呼び、復興記念事業と防災公園として阪神淡路大震災から15年目の2010年1月17日に作られた、無料で利用出来る公園です。
みなとのもり公園はまたの名を神戸震災復興記念公園といいます。そう呼ばれる理由は、阪神淡路大震災を後世に語り継ぐため作られた公園だからです。
実はこのみなとのもり公園は、大震災の教訓を活かし復興記念事業と防災公園として、阪神淡路大震災から15年目の2010年1月17日に作られた公園。
この公園の建設は、公園づくりの計画から運営まですべて市民が参画しました。その一例として、もりづくりに際して、多くの市民が自宅で育てたドングリの苗木を持ち寄って植樹する、数百人の市民が苗づくりや植え付けを行い、芝生を作るなど、市民が積極的に街づくり関わり、成功した例でもあります。
みなとのもりという名前も公募によって決定したものです。港町神戸にふさわしい「港」と一緒にという意味での「皆」と、緑豊かな「森」という意味と守るという意味の「守」の意味を込めて「みなとのもり公園」という名前に決定しました。
きっと神戸市民に永く愛される公園となって行くのでしょうね。
みなとのもり公園は防災の仕組みづくりがされていて、災害時に様々な機能を果たします。みなとのもり公園は神戸の中心地三宮駅から徒歩でおよそ15分。
みなとのもり公園は、都市災害における「避難場所」として、また復興の「活動拠点」として災害から人命を守る大きな役割も担っている公園。
みなとのもり公園の一番の見どころは、神戸震災復興記念公園の名にふさわしく、阪神大震災の教訓が様々なところに活きている点です。
ひとたび災害が起こったら、様々なことで人の生死は分けられます。こちらの公園では、かつての震災の経験を活かして、救助が入るまでの間、人が生きていけるよう様々な工夫がされているんですよ。
そのひとつがこの地下貯水槽。この大きな平たいオブジェのようなものが地下貯水槽なんです。この貯水槽は芝生広場の下にあって、震度7まで耐えられる作りになっているそう。
普段から200tの水が貯められており、普段はスプリンクラーで芝生への散水に利用されている貯水タンク。そして、災害時には生活用水として利用できるよう、手動ポンプや井戸と繋がっているんです。よく考えられていますよね。
また、自家発電とも連動していて、災害時に作られた仮設トイレの排水にも利用できるんだとか。
災害時に仮設トイレが足りなくなるという話をよく聞きます。なんと、みなとのもり公園では、マンホールそのものが仮設トイレに早変わり。マンホールの蓋を外して上に専用のテントをつければ、すぐに仮説トイレとして使えるように工夫されています。とても斬新なシステムですね。
こちらは展望の丘。小高い丘を階段を上がって上までいけば、公園内の風景を望むことができます。一見変哲もないただの丘に見えますが、実はこの地下は災害時に必要なものが入れられている備蓄倉庫の役割が。
中には、毛布2000枚、クラッカー1050食、飲料水2016本、サバイバルシート2000枚、アルファ化米1000食、粉ミルク40本が入れられているようですよ。こんな構造になっているだなんて思いもしませんでした。
災害時にこの公園に多くの人が避難してきても、ひと通りのものはそろっているというなんとも素晴らしい対策ですね。
展望の丘を登っていった先はこんな感じになっています。予想以上の高さと大きさがあり、備蓄庫がどの程度の規模があるかがよく分かります。まさかこの中に備蓄品があるだなんて誰も思いもしないでしょう。
こちらはソーラー風力照明灯。ソーラーパワーと風力のふたつの動力で照明が灯るようになっています。画期的なのは、日中の太陽光を蓄電して、夜に使えるということ。
太陽光だけでなく風力でも動くようになっているのは、天候や時間に左右されず使えるという利点があるんです。そのほかにも自家発電と連動した照明もあるので、災害時に確実に電源が供給できる仕組み。こんなスリムな形でソーラーでも風力でも電気を蓄えておけるなんて不思議です。
みなとのもり公園では阪神淡路大震災を忘れないようにするための様々な取り組みをしています。それが阪神淡路大震災を忘れないための震災関連の記念モニュメントです。
阪神淡路大震災からもう20年以上も経ち、神戸に住む人たちの中にも阪神大震災のことを詳しく知らない方もいます。
みなとのもり公園では、震災時に学んだ教訓をのちの世に伝えていくために、記念モニュメントとして公園内の至るところに設置しているのです。
こちらの建造物の塊は被災石造物。展示してあるのはテラスの一部です。神戸市中央区栄町3丁目にある旧第一勧業銀行神戸支店は、実は阪神淡路大震災の際に全壊しました。
石造りで出来た頑丈な建物が全壊しただなんて、それを聞いただけで震災の凄まじさを十分に感じられますね。震災後、倒壊した建物は解体され、こちらに置いてあるのがその一部。
旧第一勧業銀行神戸支店は、異国情緒あふれる神戸にふさわしい近代洋風建築として作られた建物でした。神戸とともに歩んだ貴重な歴史遺産でもあったのでしょうね。アートでありながら、震災を語り継ぐ遺跡でもあるんですね。
こちらは歌碑。「しあわせ運べるように」という歌が描かれています。この歌、実は小学校の先生が作詞、作曲をした歌で、震災後、様々なつらい思いを乗り越えて、神戸の復興に願って作ったのだそう。そして、今も神戸の小学校で歌い継がれています。
きっと神戸は震災を経て、強い絆を持てる街に育ったことでしょう。歌の力によって、当時、多くの人の心がなぐさめられたのではないでしょうか。
こちらは被災木です。街路樹や公園、広場などで実際に被災した木をひとまず奥須磨公園に避難させ保管し、その後無事成長した中の4本をこの公園に移植したもの。
阪神淡路大震災では地震の揺れのあと火災があったと聞きます。そんな大火の中で生き残ったこれらの木々は次をつなぐ希望でもあるのでしょう。
みなとのもり公園は緊急時以外の時は普通の公園として楽しめます
防災公園とはいえ、普段は公園としても楽しめる設備が充実しています。普通の公園として、日々人々が集う場所ともなっています。
防災公園とはいえ、防災のためだけにあるわけではありません。芝生広場の周りにはこのようなランニングコースも完備されています。1周が約460m。ここでは、たくさんの人がランニングやジョギングを楽しんでいる姿を見かけます。
このコースを100周ほど走るとマラソンの42.195kmになるそうですが、100周も走るなんて、普通の人は考えただけでもくらくらしてしまいそうな数ですね。
みなとのもり公園はお弁当持ち込みOK!ベンチや木陰、芝生公園などでお弁当を食べることが出来ます。園内にはコンビニやレストランがないので、来る途中で購入してから来園しましょう。
公園内の至る所に奥にはベンチがあります。こちらのベンチや芝生広場でシートを広げてお弁当を食べたり、ゴロンと横になってのんびり楽しんだり出来るようになっています。
芝生広場の近く(その他の場所にも)には手洗い場や水飲み場が設置されています。子供が泥遊びをして手を汚した時や犬の散歩の時などにはかなり重宝しますね。
公園の敷地内にはこんな大きなお花が咲いていました。今はこんな穏やかな花も咲く場所になりましたが、多くの人の希望と想いが神戸の復興の力となって、ここまで復旧出来たのだと思います。
今回みなとのもり公園を訪れた時は冬だったのですが、春以降に来れば桜や緑の木々に囲まれながら楽しく過ごせることでしょう。
みなとのもり公園には、JR三ノ宮、阪神三宮、阪急三宮、地下鉄三宮、ポートライナー三宮から南へ徒歩約15分。近くに有料駐車場があるので、車での来園も可能。
みなとのもり公園には、ポートライナーの貿易センター前駅からだとすぐ目の前になりますが、各三宮駅からも歩いて行くこともできます。
JR三ノ宮、阪神・阪急・地下鉄・ポートライナー三宮・高速・路線ターミナルから南へ歩いて約15分のところ。各三宮駅の傍を走るフラワーロード、もしくはフラワーロードの東の筋、もしくはポートライナー沿いの道をひたすら南へ向って歩いていきましょう。
フラワーロードから置く場合だと、神戸市役所、東遊園地の横を通りすぎ、国道2号線・阪神高速3号神戸線を越え、神戸税関の右側。フラワーロードの東の筋からだと、まっすぐ南に降りて、国道2号線・阪神高速3号神戸線にぶつかったら、それを越えたところになります。
ポートライナー沿いの道から行く場合だと、磯上公園、貿易センター駅の横を通りすぎ、貿易センタービルを通過して、国道2号線・阪神高速3号神戸線を越えたところにあります。
公園の隣には大きな駐車場があります。公園の専用駐車場ではありませんが有料でこちらに停めると近くて便利です。サニープレイス神戸三宮駐車場4という駐車場。
サニープレイス神戸三宮駐車場4
全収容台数323台
営業時間24時間
料金(全日)24時間最大 800 円
(全日)終日 200円/40分
注:2017年の料金
みなとのもり公園には大型遊具などはなく、芝生広場で遊んだり遊歩道でジョギングやウォーキングを楽しんだりする、のんびり休日を過ごしたい方向けの静かな公園。心地よい風に吹かれながらベンチに座っての読書もいいですね。
震災が起きた時のために、公園内にある震災時用の道具や設備を子どもと一緒に確認しておくのも良いでしょう。
ここに来れば、緊急時用の食料や防災グッズがあり、救助隊が来るまでの避難場所としても利用出来ることを、子どもさんと一緒に目で見て確認しておくのは大事なことだと思います。
また、阪神淡路大震災を知らない子供たちにもおすすめの公園です。普段の生活ではなかなか感じることのできない震災の様子を知ることができそうです。防災の大切さもこのみなとのもり公園を機に話をするきっかけができそうですね。
住所 | 兵庫県神戸市中央区小野浜町一帯(地図) |
連絡先 | 078-322-5420 |
最寄駅 | ポートライナー貿易センター前駅 |
アクセス | 徒歩の場合は、三宮ターミナル(JR三ノ宮/阪神・阪急・地下鉄・ポートライナー三宮/高速・路線ターミナル)から南へ約15分。ポートライナー貿易センター前駅からは、徒歩すぐです。 |
営業時間 | 24h開放 |
休園日 | 無休 |
料金 | 無料 |
駐車場 | 周辺に有料駐車場あり |
公式サイト | http://www.eld.jp/ |