伊藤忠兵衛記念館の見どころやおすすめポイントを感想を交えて詳しく紹介します!
伊藤忠兵衛記念館は滋賀県豊郷町にある豊郷済美会が運営している博物館です。初代伊藤忠兵衛は伊藤忠商事と丸紅の創始者にあたります。
伊藤忠兵衛記念館の建物は初代伊藤忠兵衛、二代目伊藤忠兵衛が居住していた旧邸を利用しています。
旧邸が建てられたのは明治15年のこと。建てられてから100年以上が経ちますが、保存状態がよく、大変美しい建物です。
伊藤忠兵衛記念館は大きく2つに分かれます。母屋には数々の部屋が当時のままの姿で展示されています。見学者は靴を脱いで、部屋に入ることができます。
また、それぞれの部屋には興味深い展示物がたくさん。展示物からは伊藤家の生活ぶりと進取の精神を感じることでしょう。中には「洋式風呂」のような当時最新鋭の物もあります。
母屋から廊下を少し歩くと「離れ」や「土蔵」があります。「離れ」は近江商人と伊藤忠兵衛を深く学べる展示物がポイント。
もしかすると、商売や行き方のヒントが隠されているかもしれません。「土蔵」には、ユニークな用具が数多く展示されています。
なお、伊藤忠兵衛記念館を全て見るには1時間はほしいところ。これだけ充実した施設にも関わらず、入場料は無料です。
伊藤忠兵衛記念館の周辺には国の有形文化財に指定されている旧豊郷小学校があります。伊藤忠兵衛記念館と合わせて訪れてください。
今回は伊藤忠兵衛記念館へ行ってきたので、写真付きで感想をレビューします。
伊藤忠兵衛記念館は近江鉄道「豊郷駅」から徒歩10分と好アクセス。近くには駐車場もあるので、車で行くことも可能です。
伊藤忠兵衛記念館は五大商社、伊藤忠商事の創始者である初代・伊藤忠兵衛の旧邸を博物館にしています。館内には当時使われていた生活用品や初代伊藤忠兵衛、二代伊藤忠兵衛の足跡がわかる展示物があります。
伊藤忠兵衛記念館は伊藤忠商事の創始者である初代・伊藤忠兵衛の旧邸を利用しています。ここには伊藤本店(伊藤忠商事の前身)を大きく発展させた二代伊藤忠兵衛も住んでいました。
伊藤忠兵衛記念館では伊藤忠商事の歴史はもちろんのこと、近江商人の精神も学べます。
旧邸は明治15年に建てられ、補修をしながら美しい状態で保存されています。館内には伊藤家が使っていた生活用品や伊藤忠商事の歴史がわかる展示物がたくさんあります。
また、伊藤家ならではのユニークな品もあるので、どうぞ隅々まで観察してください。
充実した施設にも関わらず入場料は無料!また、部屋の数が多いため、全ての展示物を見ると、最低でも1時間はかかります。時間をかけてじっくりと見たい施設です。
伊藤忠兵衛記念館を訪れたら、ひとつひとつの部屋をじっくりと観察しましょう。それぞれの部屋には展示物があります。それらの展示物を見ると、近江商人の精神がダイレクトに伝わって来るはずです。
伊藤忠兵衛記念館の門をくぐると、立派なお屋敷が現れます。これこそが、初代伊藤忠兵衛、二代伊藤忠兵衛が住んでいた旧邸です。
旧邸は明治15年に建てられました。修繕はされていますが、美しい状態を保っています。スタッフによると「豊郷町は災害が少なく、空襲の被害もなかった」とのことです。
旧邸に入ると「紅」と書かれた提灯がありました。ところで、丸紅は伊藤忠商事から分かれた会社です。ですから、伊藤忠兵衛記念館は丸紅にとっても大切な場所です。
靴を脱ぎ、最初に見学する部屋は「店の間」です。「店の間」には仕入れや販売を行う帳場がありました。
帳場は店の玄関と同時に、店員の監視役も担っていました。帳場にはソロバンと明治42年の日誌が置かれていました。
「店の間」の隣にあるのが「中の間」です。「中の間」には二代伊藤忠兵衛が英国留学の際に持ち帰ったアコーディオンが展示されています。
伊藤忠兵衛記念館には、このようなユニークな品がたくさん。なかなか、興味深いですよ。
「中の間」「店の間」より広い部屋「佛間」です。「佛間」から「店の間」方向にカメラを向けると、きれいな写真が撮影できます。
「奥の間」には初代伊藤忠兵衛と八重夫人の写真がありました。ここで、初代伊藤忠兵衛は1842年、豊郷で生まれ。15歳だった1858年に持ち下り商いを始めました。
なお、初代伊藤忠兵衛が商いを始めた1858年が伊藤忠商事創業の年次となっています。その後、現在の企業では当たり前となっている制度を次々と導入。今日の伊藤忠商事の礎を築きました。
初代伊藤忠兵衛の妻である八重夫人は初代伊藤忠兵衛を懸命にサポートしました。八重夫人は家のサポート役だけでなく、店のサポート役でもありました。
例えば、新人教育の係りは八重夫人が担っていたのです。伊藤忠本店に入った新人は1ヶ月間、この旧邸にて八重夫人からみっちりと教育を受けたそうです。
「奥の間」には「五事を正す」と書かれた標語がありました。五事とは「顔かたち、言葉づかい、まなざし、よく聞く、思いやり」を指します。
現在の私たちが見ても、参考になりますね。近江商人のベースになっているのが「五事を正す」といっても過言ではないでしょう。
「奥の間」から細い廊下を歩くと「洋式風呂」が見えます。この「洋式風呂」は明治時代に導入されたもの。もちろん、当時としては最新鋭の風呂でした。
ところで、旧邸に「洋式風呂」が設置された理由が2説あります。一つ目は英国留学帰りの二代伊藤忠兵衛のために、八重夫人が設置した説。
二つ目は閑院宮様が宿泊される際に設けた説です。いずれにせよ、明治時代に「洋式風呂」が設置されたこと自体、驚きですね。
「納戸」には2階へ通じる箱階段があります。2階には丁稚が暮らしていました。最近、めっきり少なくなった箱階段。
きっと、箱階段に懐かしさを感じる方もいるでしょう。なお、2階は公開されていません、ご注意ください。
「納戸」から靴を脱ぐと「台所」に出ます。旧邸の「台所」の目玉になっているのが、この西洋かまどです。効率のいい西洋かまどを使うことで、旧邸に来る多くの客をさばいていました。
伊藤忠兵衛記念館には女中さんや丁稚の生活ぶりがわかる展示物は多くありません。その中で、貴重な展示物となっているのが入口近くにある「女中部屋」です。当時の活気が伝わってきますね。
ここまで紹介したところから廊下を歩くと「離れ」「土蔵」に出ます。「離れ」「土蔵」には伊藤忠兵衛、近江商人がよりわかる展示物や当時使われていた品があります。
先ほど紹介した場所から廊下を歩くと「離れ」「土蔵」に出ます。「離れ」は資料館になっており、近江商人・伊藤忠兵衛のことが詳しく解説されています。
まずは近江商人のパネルを見ましょう。「近江商人」の定義は「本家を近江国に置き、他国で稼いでいる商人」です。そのため、近江国だけで商売が完結している「地商い」とは区別されます。
パネル以外にも伊藤忠兵衛にまつわる品が展示されているので、ぜひチェックしてください。
「土蔵」には旧邸にあった舶来品をはじめとする貴重な品々が展示されています。ひとつひとつの品を見ると、まるで宝探しをしているような感覚になることでしょう。
まず、立派な漆塗りの箱が目に飛び込んできます。この箱は「長持」と呼ばれています。解説によると、花嫁道具のひとつであったとか。いずれにせよ、伊藤家の財力がわかる品です。
これは現在では見られないゼンマイじかけのハエ取り装置「ハエトリック」です。中にハエが好む砂糖水や油を塗ってきます。
それに釣られてきたハエがこの装置に入り、取り込まれてしまうわけです。「ハエトリック」は大正時代に発明されました。
これは伊藤家が収集していたレコードです。一体、どのような音楽を聴いていたのでしょうか。また、時代を感じさせる袋にも注目したいところです。
これは伊藤家で使われていた玩具です。羽子板など今日でも使われる玩具もありますが、泥面子など現在では消滅した遊び道具もあります。
最後に紹介するのが当時使われていた金庫です。明治の始め頃は木製の金庫を使っていましたが、後に展示物にある鉄製の金庫を導入しました。きっと、金庫の中には莫大なお金が入っていたことでしょう。
伊藤忠兵衛記念館のトイレ(御手洗)は離れに行く途中にあります。なお、トイレは男女共用です。
伊藤忠兵衛記念館のトイレ(御手洗)は離れに行く途中にあります。なお、トイレは男女共用になります。個室は清潔な洋式トイレがあるので、安心してトイレが使えます。
また、洗面台も美しく石鹸が備え付けられています。なお、伊藤忠兵衛記念館の周辺にはコンビニはありません。あらかじめトイレを済ませておくことをオススメします。
伊藤忠兵衛記念館は歴史好きにはたまらない場所。また、商売をしている方、就活生にもオススメしたい場所です。
伊藤忠兵衛記念館は歴史好きにとってはたまらない場所。明治時代の雰囲気を感じることができます。また、商売をしている方、就活生にもオススメしたいところです。
パネルや展示物を見ると、伊藤家の行き方や商売に対する考え方が伝わってきます。明治時代に考えられたものですが、現在でも通用するものばかり。
何かヒントがほしいなあ、と思ったら、伊藤忠兵衛記念館を訪れるのもアリだと思います。
住所 | 滋賀県犬上郡豊郷町大字八目128-1(地図) |
連絡先 | 0749-35-2001 |
最寄駅 | 近江鉄道「豊郷駅」 |
アクセス | 「豊郷駅」から徒歩約10分、名神高速道路「八日市IC」から車で約30分 |
開門時間 | 10:00〜16:00 |
休館日 | 月曜日 |
料金 | 無料 |
駐車場 | あり |
公式サイト | http://toyosatosaibikai/ |
新田 浩之
1987年生まれ、兵庫県神戸市在住。現在はライターとして活動しています。分かりやすく関西の魅力やお出かけ情報を全国の方々に伝えればと思っています。
編集&校正 ビー・エイブル