白鹿記念酒造博物館(酒造館)へ遊びに行こう!
白鹿記念酒造博物館(酒造館)は兵庫県西宮市にある博物館です。兵庫県神戸市から西宮市にかけては昔から酒造りが有名なエリア。「灘五郷」という名称は全国に知られています。白鹿記念酒造博物館(酒造館)は全国屈指の酒どころに位置しているのです。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)がオープンしたのは昭和57年のこと。「白鹿」の製造元である辰馬本家酒造に運営されています。平成7年の阪神大震災によって甚大な被害を受けましたが、震災を乗り越え今日に至っています。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)の特徴は自然と酒造りのプロセスが頭に入ること。お酒の素材である「宮水」「山田錦」から出荷までを丁寧に解説。普段、お酒を飲まない方でも日本酒の酒造りを楽しく学ぶことができるでしょう。
館内のレイアウトはとてもシンプルなのですが、順番に作業が追えるようにちょっとした工夫がなされています。見学する際は、館内図と看板の番号に注目するといいでしょう。
また、隣にはレストラン「白鹿クラシックス」があります。見学の後にレストランで食事を楽しむこともできます。なお、酒造館とは別に美術品を展示している記念館があります。
また、お酒が好きな方でしたら周辺にある日本盛酒蔵通り煉瓦館と組み合わせて訪れるのもいいでしょう。今回は白鹿記念酒造博物館(酒造館)へ行ってきたので、写真付きで感想をレビューします。
白鹿記念酒造博物館は阪急バス「東町」から徒歩5分と好アクセス。近くには駐車場もあるので、車で行くことも可能です。
白鹿記念酒造博物館へは阪急西宮北口駅、JR西宮駅、阪神西宮駅から阪急バス、阪神バスに乗り換えます。今回はJR西宮駅からのアクセスを紹介します。
白鹿記念酒造博物館に最も近いバス停は阪神バス「交通公園前」です。ただし、阪神バスは本数がそれほど多くありません。「交通公園前」に寄るマリナパーク行きは1時間に2〜3本です。
一方、白鹿記念酒造博物館から徒歩5分の場所には阪急バスのバス停「東町」があります。「東町」による朝凪町行きは1時間に6本です。なお、阪神バス、阪急バス共に料金は大人220円、小人110円です。
なお、阪急バス「JR西宮」バス停はJR西宮駅の北口にあります。阪神バス、マリナパーク行きはJR西宮駅の南口から出発します。大変ややこしいので、必ず駅の看板でチェックしましょう。
JR西宮駅から阪急バス、朝凪町行きに乗り「東町」で降ります。JR西宮駅からの所要時間は10分〜15分ほどです。
「東町」を降りたら、南へ歩きます。すると交差点にぶつかるので右に曲がりましょう。このまま臨港線をまっすぐ歩きます。
道沿いにはこのような地図があります。西宮の酒処を見学する際は、この地図をスマホで撮影しておくと便利。何かと役立ちます。
「白鹿クラシックス」という看板が見えたら、白鹿記念酒造博物館は近いです。ちなみに、白鹿クラシックスはレストランになっています。和食を中心とした豪華なラインナップが自慢です。
白鹿クラシックの隣に白鹿記念酒造博物館の酒造館があります。なお、記念館はもう少し歩いた所にあるので、ご注意ください。
白鹿記念酒造博物館は「白鹿」の酒造元である辰馬本家酒造が設立した博物館です。白鹿記念酒造博物館(酒造館)ではお酒造りの工程を道具やビデオを通じて学ぶことができます。
白鹿記念酒造博物館は美術品を集めた「記念館」とお酒造りを解説する「酒造館」に分かれます。今回は「酒造館」を紹介します。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)のおすすめポイントはシンプルながら、お酒造りの工程が把握しやすいこと。酒造りの工程が自然と頭に入ってくるようにレイアウトされています。
また、白鹿記念酒造博物館(酒造館)を見学すると記念品がもらえることも! それでいて、入場料は大人400円(記念館と共通)!
なかなか、お得な博物館と言えるでしょう。また、駐車場が併設されているので車でアクセスすることもできます。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)を訪れると驚きの記念品がもらえるかも!
白鹿記念酒造博物館(酒造館)の玄関は酒造会社らしくシンプルな造り。凛とした雰囲気が漂います。館内に入ると、おなじみの酒樽がありました。「白鹿」は阪神地区の住民にとっては馴染みのあるブランド。
長年の歴史が積み重なった酒樽からは気品すら漂います。このまま建物の中に入っていきます。
館内に入り、受付に入場料を払うと、思わぬサプライズが待っていました!なんと記念品がもらえたのです。しかも、れっきとした日本酒です。これは、個人的にうれしかったですね。
今まで神戸市や伊丹市の酒造博物館を訪れましたが、記念品(日本酒)をもらったことはありません。白鹿記念酒造博物館(酒造館)のサプライズに少し感動しました。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)は様々な道具、ビデオを通じて酒造りが学べるようになっています。レイアウトはシンプルですが、自然と酒造りが頭に入ってくるように工夫されています。
酒造りを紹介する建物は受付とは別にあります。受付が入っている建物と酒造りが紹介されている建物にはこのような道がありました。
この道は「坂石道」といい、井戸から港まで「宮水」を運ぶのに使われました。スタイルとしてはトロッコに少し似ていますね。
「坂石道」の先には西宮から江戸へ運ばれる酒「下り酒」の解説プレートがありました。江戸へのルートを「下り」と呼ぶあたりが、粋に感じます。西宮以外には大阪の伝法から酒が運ばれていきました。
酒造りを解説する建物に入って、まずチェックしたのが酒の素材です。西宮の酒の素材は「山田錦」と「宮水」に支えられています。
一番右にある稲が「山田錦」です。ちなみに「山田錦」の名前の由来は母本にあたる「山田穂」に由来します。育成されたのは昭和11年のことです。
日本酒好きですと「宮水」を聞いたことがない人はいないでしょう。実は「宮水」は西宮市で取れるのです。今でも酒造りに「宮水」は欠かせません。
素材をチェックした後は順に酒造りのプロセスを追ってみましょう。洗米された米を蒸します。米を蒸す目的は殺菌と麹菌と酵母菌が活動しやすい環境を整えることにあります。
このような大きい釜を使って米を蒸していました。なお「蒸し」の作業は真夜中から夜明けにかけて行われていました。
釜があった場所には酒造りを解説したビデオが流されています。道具と共にこのビデオを見ると、理解が深まるのではないでしょうか。
蒸した米を一旦、冷やします。この作業を「放冷」といいます。ちょうど、夜明けの気温を利用して米を冷やすわけです。一見すると、ただ米を広げているように見えます。しかし、「放冷」にも様々なルール・工夫が存在するのです。
酒造りで重要な課程が「麹づくり」です。麹はカビの一種で、米をでんぷん質に変える役割を果たしています。この麹室(こうじむろ)で、胞子を米に植え付けるわけです。
ちなみに、白鹿記念酒造博物館(酒造館)の麹室は実際のサイズの4分の1に再現されています。
麹ができたら酒母を作ります。酒母を文字通り酒の母。優良な酵母を次々と発生させます。酒母を作るには宮水、麹、蒸米を混ぜます。
この酒母の質が酒の良し悪しを決めるのです。そのため、酒造りの中で一番重要なプロセスと言えるでしょう。
酒母ができたら、宮水、蒸米、麹に分けて仕込んでいきます。これを「三段仕込み」といいます。ところで、なぜ「三段仕込み」にしないといけないでしょうか。もし一気に仕込んでしまうと、酸と酵母が薄まってしまいます。
そのような環境下では大量の有害菌を発生させることになるのです。「三段仕込み」を紹介するコーナーでは数多くの樽が展示されていました。
もろみの中ではアルコールが次々と発生します。そして、炭酸ガスが外に放出されます。放出された炭酸ガスが泡となって表面上に現れるのです。
酒造りも終盤に近づいてきました。「しぼり」とはもろみを圧縮して酒と酒粕に分ける作業です。最初に出てくる酒は濁っているので、再び絞ります。
昔は大きな道具を使ってしぼっていましたが、力が弱く危険が常につきまとっていました。
お酒は殺菌のために約60度で加熱します。これを「火入れ」といいます。「火入れ」を終えたお酒は半年に渡って貯蔵されます。
この間にお酒が熟成されるわけです。そして、いよいよ出荷します。昔はこのような酒樽に次々とお酒を入れたわけです
ところで、酒造りで絶対に欠かせられない樽や桶も自前で作っていました。この工具は樽や桶作りの際に使用されたもの。写真以上に迫力を感じます。
出口付近には全国から集められたおチョコが展示されていました。どのおチョコも美しかったです。あなたのお気に入りのおチョコはどれですか?
白鹿記念酒造博物館のトイレは受付を出たところにあります。ウォシュレット機能が付いているので、誰でも安心して使うことができます。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)のトイレは受付を出たところにあります。目立つ場所にあるので、迷うことはありません。男性、女性、車椅子用のトイレがあります。
洗面台はこのような感じです。なお、私が訪れた日は石鹸はありませんでした。全体的に清潔です。
トイレはウォシュレット機能が付いています。とても清潔で、誰でも安心して利用できるトイレです。
白鹿記念酒造博物館(酒造館)はお酒好きな方にとっては必見の博物館。もちろん、お酒をあまり飲まない方、未成年者でも十分に楽しめます。
また、白鹿記念酒造博物館(酒造館)の周辺には日本盛酒蔵通り煉瓦館などの日本酒にまつわる施設があります。これらの施設と組み合わせて訪れるといいでしょう。
なお、酒造館は写真撮影は自由ですが、記念館は写真撮影は禁じられています。
住所 | 兵庫県西宮市鞍掛町8-21(地図) |
連絡先 | 0798-33-0008 |
最寄駅 | 阪神バス「交通公園前」、阪急バス「東町」 |
アクセス | 阪神バス「交通公園前」から徒歩すぐ、阪急バス「東町」から徒歩5分 |
営業時間 | 10:00〜17:00(入館は16:30まで) |
休園日 | 火曜日(祝日の場合は翌日、連休の場合は連休明け)、夏期、年末年始 |
料金 | 一般400円、中学生・小学生200円(酒造館、記念館共通) |
駐車場 | あり |
公式サイト | https://www.hakushika.co.jp/museum/ |