甲南漬資料館へ遊びに行こう!甲南漬資料館は甲南漬やみりん作りの歴史や、昭和初期に使われていた道具などの展示が見れるお出かけスポットです。
甲南漬資料館は、高嶋酒類食品株式会社の初代高嶋平介氏の邸宅を震災を機に、甲南漬(奈良漬け)とみりん製造の資料館として市民に開放した建物です。
甲南漬資料館は正式には「美味伝承甲南漬資料館」と名付けられている、無料で見学出来る資料館です。甲南漬資料館は1930年(昭和5年)に建築された建物で、2010年3月19日に国登録有形文化財建造物に選ばれました。
もとは高嶋酒類食品株式会社の初代高嶋平介氏の邸宅。昭和初期に建てられた建物は、当時の甲南漬の人気ぶりや人々の生活の様子が垣間見られるとあって見るだけでも楽しい資料館です。
甲南漬資料館には、奈良漬の歴史や、奈良漬の主原料である酒粕の主な産地、灘五郷との関わりを説明する資料の展示やみりん作りの道具の展示なども見どころの一つ。
また、資料館奥の座敷には「お食事処 平介茶屋」があり、趣きのある旧建造物の中でゆっくりとお食事を堪能できますよ。
それでは甲南漬資料館を詳しくレポートします。
阪神電車「新在家」駅を降りて、浜側に行くと国道43号線に出るので、国道43号線沿いを東に5分くらい進むと到着。駐車場もあり車でのアクセスも可能。
甲南漬資料館に行くには、阪神電車を利用すると便利です。最寄駅は阪神電車「新在家」駅。阪急電車やJRでも歩いて行ける距離にありますが、どちらにせよ阪神「新在家」駅を通ることになります。
阪神「新在家」駅からの道順ですが、「新在家」駅を下車後、阪神電車の高架ぞいに東(正面)へ4分ほど歩き、突き当たり(駐車場)を南(右手)へ4分ほど歩くと到着します。
JRから行く場合は、JR神戸線の「六甲道」駅で下車、南南東へ徒歩20分。「六甲道」駅の東の道を南へまっすぐ下りたところが阪神「新在家」駅。阪急「六甲」駅からも南南東へ約30歩くと阪神「新在家」駅に着きます。
甲南漬資料館の見どころは、何と言っても旧建造物。昭和初期の人たちの暮らしぶりが垣間見れる設備や機器類なども展示されています。今に通じるものもたくさんあって、設備や機器類の進化を感じることができておすすめ。
甲南漬資料館の建物の中には明治から昭和時代に使用されていた骨董品がたくさん展示されています。昔懐かしい電話や炭火のアイロンなど珍しい品の数々。そのいくつかを紹介しましょう。
こちらはレジスターです。当時はこんなレジを使っていたのですね。ものすごくおしゃれな形をしています。今でも使えるのは分かりませんが、こんなレトロなレジスターが置いてあるお店なら行ってみたくなります。
右側の画像の電話は、話すところと聞くところが分かれているレアもの。トトロに出て来た電話に似ていますね。こちらの電話は甲南漬の注文を受ける時などに、当時の事務所で活躍していたかもしれませんね。
こちらは「はかり」です。甲南漬を量り売りする時に使われていたのでしょうか。今のように、ものが豊かじゃなかった時代には、精度のいい秤は高級品だったのではないかと思われます。見るからに高そうな一品。
プラスチックで型通り大量生産というのも難しい時代だったので、丁寧に手作りで作られている様子が見られます。
当時は暖をとるのも大変だったようです。暖をとるための器具が展示してありました。これは櫓炬燵と足温器という器具のようです。櫓炬燵って今の炬燵の原型なのかもしれませんね。ちゃんと柵があり使う人が火傷しないように工夫されています。
これをふとんにでも入れたのでしょうか?足を暖めると、体が暖かくなるということは今も昔も共通しているようで、足温器も足を暖める道具。しかし、足温器の方はなんだか火傷しそうな危うさです。
これが直接火をくべるものだとしたら、箱が大きくて布団の中でひっくり返ったとしたらかなり危険のシロモノですよね。
壁には甲南漬の広告がいくつも展示されています。当時はこんな地味な広告で宣伝していたのですね。字体からも昭和を感じます。
イラストの熨斗(のし)がお中元用になっているところを見ると、甲南漬がお中元の贈答用に使われていたことが分かります。保存がきく甲南漬はお中元に限らず、お歳暮にも便利だったのかもしれませんね。
おひなさまが飾られていました。今では珍しい段飾りのおひなさま。昔はおひなさまは嫁入り道具の一つで、お嫁に行く時に持って行くという風習がありました。
ここに飾られているおひなさまは、たくさんのお付きの者や道具があるところを見ると、それほどの玉の輿に乗ったということだったのでしょうか。
こちらはお風呂。明治の時代からあったお風呂なのかどうかはわかりませんが、これほどの旧邸に入浴設備が付いていたことにびっくり。浴室の天井が高く上部には天窓や時計があって、まるで銭湯ようです。
こちらは当時の建物で使われていたの屋根瓦。それにしても立派なかわらですね。今の時代にこれほど立派な本瓦を使った家を立てようとすれば、建築費用が相当かかりそう。
こちらがお庭です。日本庭園のとても手入れされた庭でした。敷地面積も大きいので、こんな雰囲気のあるお庭が作れたのでしょうね。近くに水道施設もあり、見えないところでの水やりの苦労が少し垣間見られました。
庭にはかまどがあった様子がありました。上にビニールをかぶせていたところから、今は使っていないようなのですが、昔は外でかまどを使っていたことがわかります。
それにしても、こちらやたらビニール袋や麻袋のような、何に使うのかよくわからないようなものがごちゃごちゃとあり、かなり生活感が感じられる空間となっていました。人が生活していたんだということが改めて感じられます。
日本式庭には石の置物や小橋までかけられているという凝りようです。一生懸命甲南漬を作って富を築いていたのでしょう。
甲南漬資料館はお酒好きな人におすすめです。
当時の魚崎郷の様子を感じることができて、日本酒好きには一層知識を深められることができるのではないかと思います。
また、子供の夏休みの自由研究などにももってこいでしょう。パネルや紙の資料ばかりでなく、実物の展示があるため、比較的低学年でも理解しやすく満足できるのではないかと思います。
住所 | 神戸市東灘区御影塚町4−4(地図) |
連絡先 | 078-842-2508 |
最寄駅 | 阪神電車「新在家」駅 |
アクセス | 電車を利用する場合は、阪神電車「新在家」駅下車。JR神戸線(東海道本線)「六甲道」駅(快速停車駅)下車。阪急電車「六甲」駅下車。 車を利用する場合、大阪方面からは阪神高速3号神戸線「魚崎出口」、神戸方面からは「摩耶出口」 阪神高速5号湾岸線の大阪方面からは「住吉浜出口」 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
休業日 | 年末年始 |
入館料金 | 無料 |
駐車場 | あり |
公式サイト | http://www.konanzuke.co.jp/ |
如月柊
道端でネコを見かけるとついつい走り寄ってしまう猫好きライターです。あまりにしつこくなぜなぜするので、愛猫からは猫キックしまくられるという冷遇ぶり。でも、猫は気まぐれでもかわいいから許すということで、日々猫と格闘しています。
編集&校正 ビー・エイブル