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猿沢池

猿沢池の口コミレビューと感想!

猿沢池のの見どころやおすすめを紹介。アクセスや駐車場、入館料金・割引料金(割引チケット)などの詳細も!

猿沢池

猿沢池は、奈良県奈良市の奈良公園にある数々の伝説がある池です。
有名なビュースポットでもあり、水面に興福寺五重塔と周囲の柳が一緒に映る景色は必見! 

猿沢池の景観

奈良県奈良市の奈良公園にある猿沢池(さるさわいけ)は、周囲が360メートルある景色が美しいと有名な池。

奈良時代には今よりもずっと大きかった興福寺。猿沢池はそんな興福寺のそばの花畑の中にあったそうです。

現代の猿沢池は、水面に興福寺五重塔と周囲の柳が一緒に映り、優美な雰囲気を醸し出しています。

中秋の名月には「采女祭(うねめまつり)」が行われ、猿沢池には船も浮かび、幻想的な景色を見ることができます。

その姿は「猿沢池月」 として、南都八景のひとつとされているほど。

もともと猿沢池は仏教の宗教儀式のために作られた人工池で、万物の命を大事に思って、捕らえられた生き物をこの人工池に放すということが行われていました。

今も毎年4月17日に鯉が放されています。

今回は猿沢池へ行ってきたので、おすすめや感想を写真を交えて詳しくレビューします。

猿沢池はどんなところ?おすすめポイントは?

猿沢池はたくさんの伝説がある神秘的な池。なかでも采女神社は、様々な伝説を残している見どころ満載な神社です。 

猿沢池の采女神社

猿沢池の見どころは猿沢池のほとりにある采女神社(うねめじんじゃ)です。

采女は、天皇や皇后のそばに仕えて身の回りの雑事や世話をする女官のこと。

この神社は帝の寵愛が受けられなくなったことに、嘆き悲しんで入水した采女の魂を慰めるために作られた神社です。

采女が入水したことを知り、残した歌が2つあります。1つは帝が詠んだといわれている歌で「猿沢の池もつらしな吾妹子がたまもかづかば水ぞひなまし」という歌です。

この歌は大和物語に収録されていて、「猿沢池が恨めしい、采女が池に身を投げて池の中の藻がついたときに、水が乾けば助かったのに」という内容になっています。

また、もう1つはお供をした柿本人麿が詠んだ歌で、「わぎもこのねくたれ髪を猿沢の池の玉藻とみるぞかなしき」というもの。

こちらも大和物語に収録されている歌で、「いとしい采女の乱れ髪を猿沢池の藻として見るのはとても悲しいことである」という意味です。

2首ともに采女の死を悼んだ歌で、この采女の話はのちに『枕草子』、謡曲の『采女』にも取り上げられることになります。

猿沢池の哀悼歌

大和物語に収録された歌です。入水した采女は成仏できずに霊となってさまよっていたようですね。僧侶の読経により、成仏することができたようです。

失恋で死を選ぶということは、今ではなかなか聞かないことですが、当時は恋愛が一大関心事だったことがわかりますね。

猿沢池の神社の入り口

采女神社です。縁結びの神社となっていました。

ちなみに、采女神社は鳥居が東なのに、社殿が西向きにあるのが特徴です。これは、釆女の霊が入水した猿沢池を見るのが辛いからという伝説があります。

本当のところは、もともと使っていた北東の入り口側が人の手に渡ってしまい使えなくなり、東から出入りのために鳥居ができたという地理的な問題だったようです。

しかし、一度は社殿を東向きに建て替えた時期もあるらしいので、100年も経たないうちに西向きに戻したという点から、この伝説が真実である裏付けになっているようですね。

猿沢池の采女祭り

猿沢池には、采女物語の様々なお話が描かれていました。その中の一つに「采女まつり」があります。この説明書きは池の中の岩に描かれていて、とても風情がありますよ。

采女祭りは月夜に采女が入水したのにちなんで、中秋の名月に采女の霊を慰めるためのお祭りなので、9月から10月にかけての時期に開催されます。

稚児が花扇車をひき、十二単の花扇使が御所車で市中を練り歩き、ちょうど月が出てくる時間に合わせて船に乗り換え、雅楽が聞こえる中、猿沢池を周遊するという優雅なお祭りです。

猿沢池の石碑

この石碑は采女が入水するときに、柳の木に服をかけたという物語について書かれている「衣掛柳」の石碑です。

猿沢池の衣掛柳

服をかけておくことで、帝に自分の未練を伝えたかったのか、この一途な想いが届いたため、帝は入水した采女を不憫に思って、采女神社を建立したそうです。

猿沢池の五重塔

猿沢池では、五重塔が撮影ポイントになります。池に柳や五重塔が映りこむ姿が素敵ですよ。夜になり、月が映ると、もっと美しくなりそうです。

猿沢池の石畳

猿沢池の周りはきちんと整備されていて、石畳になっており、歩きやすい道になっていますので、歩いて一周できますよ。

猿沢池のベンチ

池の周りにはベンチや少し小高くなった丘などがあり、いろんな角度で猿沢池を見下ろすこともできます。

このあたりは外国人観光客も多いのですが修学旅行客も多く、ベンチに腰かけて食べ歩きグルメを楽しんでいました。

猿沢池の龍の伝説

芥川龍之介の『龍』という小説では、龍が猿沢池に雲を呼んで雨を降らせながら天に昇って行ったという話もあり、猿沢池には龍が棲むという伝説があります。

猿沢池の龍神

また謡曲の『春日龍神』でも、猿沢池の龍神が大蛇となって天に昇っていく場面があります。このように昔から猿沢池の龍神は、たくさんの人から信仰を集めていたのでしょう。

ある説では、この龍は猿沢池に入水した采女ではないかとも言われています。入水して龍になり、鎮魂を願って神となったということです。

中秋の名月に催される采女祭で猿沢池に浮かべられる船は龍の形をしていますので、話がうまくつながって猿沢池の伝説として、長く人々に語り継がれているのかもしれません。

猿沢池の七不思議

池は、水が貯められているため、濁って異臭を放つことがあるのですが、猿沢池はそういうことがない不思議な池で、猿沢池の七不思議と言われています。

この七不思議は、「澄まず、濁らず、出ず、入らず、蛙はわかず、藻は生えず、魚が七分に水三分」というもの。

猿沢池の水が今以上澄むことも濁ることもなく、それなのに、よそから水が入ってくることもなく、出ていくこともない。

蛙はいなくて、藻も生えない。毎年魚が多く池に放されて増えていくのに魚があふれている様子がないというものです。

猿沢池の水質

実際、池には排水口と取水口があり、池の水質は一定に保たれているようです。ちなみに、こちらの猿沢池には蛙はいないのに亀はたくさんいて、甲羅干しをしていました。

猿沢池の亀

近年では亀の名所とも言われるほど。池の鯉と亀は人に慣れていて、観光客がエサをあげるので、岸に立つ人によく近づいてきます。

石の上に載っているのが亀です。かなり亀が多くて、あちこちでその姿を見ることができます。人がエサをあげるせいなのか、まったく警戒心がなく、ずっと甲羅干しをしていました。 

猿沢池のトイレやサービス、設備は?

猿沢池には池のすぐそばに休憩所を兼ねたトイレ施設がありますが、ベビー関連の設備はとくにありません。 

猿沢池のトイレ

猿沢池には、池のすぐそばに休憩所を兼ねたトイレ施設があります。立派なトイレ施設になっているので、すぐにわかるかと思います。

猿沢池の洋式トイレ

トイレの中はこんな感じです。比較的きれいに掃除されていますが、古い感じは否めません。ベビーチェアなどの設備はありませんでした。

猿沢池の休憩所

トイレのすぐそばにある休憩所では座って休むことができます。屋根があるので、暑い日には涼むことができますね。

公衆電話もあるので、いざというときに便利です。 

猿沢池のおすすめ度は?

猿沢池は伝説がたくさんある歴史ある池。伝説散策として池の周囲を散歩すると、いろいろな発見もでき、子ども連れでも楽しめるのでおすすめです。

猿沢池は奈良の観光地が集まっている場所にあり、立地的にもよく、いろいろな観光とともに訪れるといいと思います。

様々な伝説を感じながら、猿沢池のあたりを周ってみるといろんな発見ができそうですよ。

池自体も広いので、騒いでも問題がありませんので、子連れにもいい場所だと思います。

ただ、トイレにベビー関連の設備がまったくないので、小さな子供連れの方は、準備をしておくといいですね。 

猿沢池へのアクセスは?

猿沢池は、近鉄奈良駅から徒歩5分、JR奈良駅から徒歩15分の距離にあり、駅から歩いて行ける距離にあります。 

猿沢池の近鉄奈良駅

猿沢池の最寄り駅は近鉄奈良駅です。近鉄奈良駅から徒歩5分、JR奈良駅から徒歩15分の距離にあります。

近鉄奈良駅から南の方角、興福寺の近くですので、徒歩ですぐにわかると思います。

自動車で行く場合は、奈良県を南北に走る国道169号線か東西に横断している国道369号線を走ると自然と奈良に到着します。

猿沢池の園地

奈良公園付近は観光地で、公共交通機関での観光を呼びかけているため、近年は奈良公園付近の駐車場が相次いで閉鎖し、近隣のコインパーキングも値上がりしています。

猿沢池には専用の駐車場はありません。車を停めるなら近くのコインパーキングに停めるといいでしょう。

奈良市内の駐車場は1日最大1000円というところが一般的ですが、猿沢池の近辺にはまだ安いコインパーキングがいくつかあります。

猿沢池の近くの青山モータープール

猿沢池のすぐ近くにある青山モータープールは、平日30分100円、1日最大600円。営業時間は午前8時から午後10時で、平日しか開いていませんが、安いパーキングですよ。 

猿沢池の施設概要

住所 〒630-8213 奈良市登大路町49(地図
連絡先 0742-22-0375(奈良公園事務所)
最寄駅 近鉄奈良駅
アクセス JR 奈良駅から徒歩約15分、近鉄 奈良駅から徒歩約5分
営業時間 特に無し
休園日 特に無し
料金 無料
駐車場 専用駐車場は無し。近隣のコインパーキングを利用。
公式サイト http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/


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この記事を書いた人

如月柊

道端でネコを見かけるとついつい走り寄ってしまう猫好きライターです。あまりにしつこくなぜなぜするので、愛猫からは猫キックしまくられるという冷遇ぶり。でも、猫は気まぐれでもかわいいから許すということで、日々猫と格闘しています。


編集&校正  ビー・エイブル